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| 考察や蘊蓄が披露される研究的なものを無理して最初から読まなくても、妖怪が登場するもとの話を読むだけでも結構楽しめるし、いろいろと勉強にもなる。妖怪っぽい話がたくさん読めるお薦めの怪談集を紹介しておこう。 3-1. 今野圓輔 1957 『日本怪談集 妖怪篇』 (上)、(下)中公文庫 1-2でも紹介したが、本書は数多くの民俗誌、伝説集から妖怪記事をピックアップしたものである。オーソドックスなモノだけでなく、奄美大島の豚妖怪などの珍しい例や、すこし地味なヌシなどの話題にも目配りされていて面白い。 3-2. 須永朝彦編 1995 『日本古典文学幻想コレクション』1 奇談 国書刊行会 1996 『日本古典文学幻想コレクション』2 伝綺 同上 1996 『日本古典文学幻想コレクション』3 怪談 同上 3-3. 柴田宵曲 1963『妖異博物館』 (『柴田宵曲文集』第六巻 、 小澤書店 に収録) 1963『續妖異博物館』(同上) 文語を読み馴れていないと、古典文学の怪談・奇譚はとっつきにくいというのが正直なところだろう。3-2は、古典の奇談・怪談の精髄を歌人・作家の須永氏が典雅な現代語訳で紹介しており入門に最適。3-3.は江戸随筆の中から、再度の怪、狸の火、舟幽霊、鼠妖などの主題ごとに怪奇譚を紹介しており、近世の怪異イメージを概観するのには手頃だろう。これらを入門編として古典に親しみ、次は各巻末の出典一覧などを手掛かりに原典へと読み進めてみよう。 3-4. 東雅夫編 1999 『書物の王国』18 妖怪 国書刊行会 文学作品を中心にした妖怪譚アンソロジー。文学の世界においても、妖しきものたちの領土はかくも広い。セレクトした作品を、東西妖怪大戦争というスタイルで配置する遊び心も楽しい。 3-5. 木原勝浩・中山市朗 1998〜 『新耳袋』第一夜〜 メディアファクトリー いまさら紹介するまでもないかもしれないけれど。近年刊行された怪談集の中では、その恐ろしさとエピソードの生々しさにおいて、類書から頭ひとつ抜きん出た高水準のシリーズだ。伝統的な妖怪譚を思わせる話も一巻につき数話含まれている。本書の登場や「怪談之怪」などにより、現代的な百物語の流行が生まれつつあることも注目に値する。 第一夜の第十二章「“くだん”に関する四つの話」は、平成版「くだん狩り」のプレリュードとして必読。 現代民話として松谷みよ子が収集整理している話の中にも、妖怪談・怪談は多く含まれている。 長らく古書で探すしかなかった『現代民話考』が、ちくま文庫から増補の上再版されたことは、喜ばしいことである。なかでも、1巻「河童・天狗・神隠し」、3巻「偽汽車」、11巻「狸・むじな」などは妖怪度が高い。 3-6. 松谷みよ子編 2003〜4 『現代民話考』1〜12 ちくま文庫 また、同シリーズを読了したら、姉妹編的な『狐をめぐる世間話』(シリーズ・日本の世間話 5)も、読んでおくとよいだろう。 そのほか最近の怪談集では、勁文社・竹書房の『「超」こわい話』シリーズ、大迫純一さんの『あやかし通信 怪』(ハルキホラー文庫)、渡辺節子・岩倉千春さんの『夢で田中にふりむくな』(ジャパンタイムス)、小池壮彦さんの『心霊ウワサの現場』(長崎出版)などをお薦めしておく。 |
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