『蟲師』1
著者:
漆原友紀
発行所:講談社
アフタヌーンKC255
価格:533円+税
 漆原友紀氏の『蟲師』1は、生と死の間に在る「モノ」=蟲にまつわる怪異譚集。良質な創作系の妖怪マンガだ。

 土俗っぽくて博物学(本草学かな)的な蟲の描写や命名センスは私の好み。
 飄々として物憂げな主人公ギンコにも好感がもてる。あくまで世界を調査や治療の対象として遠くから眺めているような、あの虚ろなまなざしが良い。彼が抱えている心の闇などの人物像が見えて来るほどには、詳しい個人史的エピソードはまだ語られていないが、今後の展開に期待したい。

 河童や人魚の木乃伊、猫股の骨格標本(あ、「お菊人形」みたいなのもある!)なんて妙なものを収集している本草家で医者の化野なる人物も登場する。いわくありげな巻物や古地図など、奇妙なシロモノに溢れる彼の棲家の描写には、うれし涙が出てしまった。私もあんな蔵が欲しいな。
 残念ながら、この化野氏は私とは直接の関係はないのだな。わたしがペンネームにパクったわけではないので、そこのところはよろしく。 勿論、血縁でもないです(笑)。

 続刊が楽しみなシリーズがまたひとつ誕生したことを喜びたい。

                                            (2001.03.05)
                                         

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