2001.02.01〜04
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インターネット古書店で注文していた西原松生編著『沖縄の怪談』(月刊沖縄社)が届く。カラーの子供向け絵本だが、本気で取材・編集されており意外に面白そう。
1973年に刊行された本なので、沖縄海洋博会場予定地が「遺念火」の目撃多発地であるなんて記事がのっていて、隔世の感を抱くおぢさんでした(懐古)。
先月末に引き続き、多忙につき妖怪関連の作業は休止。時間の使い方を考えなきゃなぁ。
・・・なんて思いつつも、押井守監督の『Avalon』を観に行ってしまう。心から堪能。
文句のつけようがないってのが、唯一の不満かな。完成されすぎなのかも知れない。
でも、これって贅沢すぎる不満ですね(反省)。
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2001.02.05
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休日。ようやく「稲生祭」記事を書くまとまった時間をとることが出来た。
が、資料をあたっているうちにあちこちと脱線してしまい、本日も脱稿には至らず。
(でも、かなり書き進めましたので・・・)
これではお待たせしている方々に申し訳ないので、お詫びの意味を込めて、以下に脱線の内容をひとつだけ書いておきます。
稲生平太郎が体験した怪異の冒頭部分には「茶を運ぶ 一つ目の童子」が登場している。
「南海侯の化物振舞」という話が『甲子夜話』巻五十一にある。これはヒマを持て余した大名が偽物の化物屋敷を作って医者を驚かしたというちょっと趣味の悪いプラクティカル・ジョークの話だ。これは柴田宵曲氏の『妖異博物館』でも一番最初に紹介されている話なので、御存知の方も多いだろう。
この話の中には「向うより七八歳も有らんと覚しき小児、茶台を捧げて来る。近寄りて見れば、未だ坊主あたまなるに、額に眼一つあり。」という部分があり、平太郎の経験にあらわれたモノに極めてよく似た妖怪イメージがあらわれている。
また、アダム・カバット氏の本を見ると、黄表紙の挿し絵の妖怪にも茶を運ぶ小僧姿のモノがあることがわかる。雑誌『民間伝承』に報告されている下総の妖怪「かぶきり小僧」も「水飲め、茶飲め」と茶をすすめるという点では、これらとよく似たモノだと言ってよいだろう。
この「茶を運ぶモノ」というイメージは、どこから来たものなのだろうか?
平太郎の体験談がもとになって流布した可能性もあるが、彼の話や南海侯の悪戯以前に、既に文芸や絵画等によって定型化され、流布していたものなのかもしれないとも思う。カラクリの「茶運び人形」とも関連しているかも知れない。
・・・とても気になっている。
これらの他に類似の「お茶汲み妖怪」を御存知の方がいらっしゃいましたら、御教示くださいますようお願いいたします。
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2001.02.19〜20
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休日。ようやく「稲生祭」記事を『異境巡礼』内にアップ。お待たせしました。>皆さま。
東雅夫氏の「日本伝説紀行」の『ムー』誌掲載リストというオマケつき。
この2週間、ちょっといろいろあって、表向きネットから遠ざかっておりました。
そのうちのひとつについては、いずれ公表できるかも知れません。いえ、もちろん妖怪関係の悪巧みなのですが・・・
で、お次は最近集中的に収集している沖縄の妖怪本のこと。
福地曠昭さんの『沖縄の幽霊』がオススメ。幽霊話が大半なのだが、中には妖怪的なモノも含まれている。(というか、あちらの「マジムン」という概念は、本州・九州・四国でいう幽霊と妖怪の双方を含むもののようだ。)「セーマ」、「ピキンキル(怪魚)」、「ジーワーワー(動物の妖怪)」、「チャーシ(舟幽霊)」などの話がのっている。昨年刊行された本なので、bk1などで入手も可能だ。
前にも書いたが、近いうちに沖縄を訪れる予定なのですね。ホントに行けるかどうかは、まだちょっと不安定だけど。
前述の本などによると、あちらにもなかなか面白い幽霊・妖怪がいるようで、期待大。豚の妖怪をはじめ、ウブメに類したモノとか、逆立ち幽霊、みこし入道みたいな幽霊(ユーリー)とか。
幻想小説作家 池上永一氏の処女作『バガージマヌパナス』に引用されている「はなもー」という幽霊伝説の舞台である岬などを訪れるつもりで、下調べをしたりしてる。いや、楽しい。
今後、奄美→南九州へと北上しつつ、各県の妖怪を訪ね、同時に資料収集をする旅でも出来れば、とか夢見てる。ホントにそんなこと出来たらいいなぁ。
『幻想文学』くだん特集の投稿小説で入選の石神茉莉さんの短編第3作『海聲』が、井上雅彦氏監修の『幽霊船』(異形コレクション、光文社文庫)に掲載されています。石神さんの作品に登場するのは、洋風の「幽霊船」とある水妖。浪漫的な語り口のおぼろな夢のような怪異譚です。
夢といっても、もちろん悪夢ですが。とても甘美な。
「幻談」にも書き込みしてくださった鬼哭庵主人こと福澤徹三さんの第二短編集も刊行されています。『怪の標本』(ハルキ・ホラー文庫)。
まだ、最初の一編を読んだだけですが、こちらもアダシノ好み。作中のインターネット怪談は、とてもイヤ感が強くて・・・。うかつに変なHPには近寄らないことにしよう。震々。
「茶を運ぶ 一つ目の童子」の例をひとつ思い出したので、ついでにここに書いておこう。
『怪談登志男』の巻二の七「古狸妖老医」にも、同様のモノが登場している。
記憶力って、年齢とともにだんだん衰えるのだなぁ(哀)。
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2001.02.20〜25
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明日の更新はちょっと無理そうなので、一日繰り上げて書いておこう。
まず、「茶を運ぶ 一つ目の童子」のことから。
気にしてれば見つかるもので、秋田県に伝わる『久保田城下百物語』のラストにも、茶盆を手にした一つ目小僧が登場しているではないか。『久保田城下百物語』はWeb上で鑑賞可能なので、こちらへどうぞ。これは、以前、掲示板でも紹介した『奇々怪々あきた伝承』の著者 福島彬人氏のHP『絲遊』内のコンテンツ。「しょうけら」、「あづきとぎ」等も登場していてなかなか面白い。
どうやら、茶運びスタイルの一つ目小僧は、当時広く流行していたものらしい。『稲生物怪録』の妖怪は独創的図柄のものばかりだと思い込んでいたが、そうとばかりも言えないようだ。
以前から名前だけ知っていて、その素性がわからずにずーっと気になっていた妖怪ふたつがどんなものなのか判明する。
ひとつめは「ちょかめん」。
これは種子島の妖怪。鉄瓶の形をしたメン(妖怪の総称)のことで、坂を転がるモノ。「カンスコロバシ」や「ヤカンザカに出るモノ」などの煮沸用具・回転型の仲間。古本屋で手に入れた『タネガシマ風物誌』(下野敏見、未来社)に載っていた。長い間の疑問が解決してすっきりした。
もうひとつは「水車じじい」。『花山院』の「フリートークBBS」での話題にともなって見直した山田野理夫氏の『怪談の世界』に出ていた。水浴びする白髪の老人で、歌がうまいとか。歌をほめないと、水車を破壊するらしい・・・って、なんか嘘臭いなぁ。やはり氏の創作なのだろうか? こちらは謎が深まってしまった(苦笑)。
とはいえ、こんなマイナー妖怪にこだわってるオレって馬鹿か・・・
と、思っていたところ折良く(?)『妖怪馬鹿』(新潮社OH!文庫)を入手。爆笑。
同書については、いずれまた。
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2001.02.26〜27
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26日。某極秘計画の打ち合わせのため上京。
この件については、時期を見て告知できると思うが、今のところ秘密。
打ち合わせ終了後、屶丸さんと神保町へ古本漁りに出撃。 前回の上京時に買いもらした佐藤隆三氏の『江戸の口碑と傳説』(郷土研究社)ほか数冊を入手。かねてから探書中の沖縄の古文献『遺老説傳』の活字本を発見するも、価格(1,9000円ナリ)に負けて購入を断念。
その後、東雅夫氏と「ですぺら」で飲む。シングルモルトの美味いこと(堪能)。
クセのあるマスターとの雑談も良かったなぁ。
翌27日。午前中は東京国立博物館へ。久しぶりに考古遺物に親しむ。
午後、神保町へと舞い戻り、昨日屶丸さんから教わった書肆アクセス(「すずらん通り」の中ほど)で地方小出版の妖怪本をあさりまくる。小一時間は探索しただろう(お店の方、長居してすみませんでした)。最終的に十冊近い獲物をゲットする。またもや巨大な紙袋を下げて帰途につくアダシノでした。
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| 2001.02.28 |
昨日までの労れで半死人。ああ、2月も終わりか。 |